月に願う③

十日夜(とうかんや)、十三夜、そして十五夜



現代まで続く日本の風習の代表的なものに
お月見があります。

最も美しい月夜といわれる
十五夜の満月を鑑賞する行事ですが、
特に旧暦八月十五日の満月のこと。

中秋の名月はそこから来た名前です。
旧暦では、一月から十二月まで

初春、仲春、晩春、初夏、仲夏、晩夏、
初秋、仲秋、晩秋、初冬、仲冬、晩冬

と季節を分けておりました。今の暦で
ひと月半位ずれるので、「十五夜」、
中秋の名月は九月から十月になります。

この頃収穫されるお芋をお供えすることから
「芋名月」とも言うそうです。

そして、十五夜の次に美しいとされるのが、
翌月の十三日目の月、十三夜です。

そんなことことから、十三夜の別名は「のちの月」
お供えから「栗名月」とか「豆名月」ともいわれます。

さらに翌月の十日の月の夜、十日夜(とうかんや)には、

収穫祭が行なわれ、稲の収穫を祝ってお餅をついたり、
東日本を中心に様々な行事が各地で行なわれています。

この十五夜、十三夜、十日夜の
三つのお月見をすると大変縁起が良いそうです。

月読(つくよみ)の  光に来ませ あしひきの 山きへなりて 遠からなくに

お月さまの光でいらっしゃいませ。
山が隔てて遠いというわけでもありませんに

さて、三日月が夕方から宵にかけてすぐ沈むのと
逆に、だんだん月の出はおそくなります。

満月の十五夜の後の呼び名は特徴的です。

 十六夜(いざよい)
 十七夜(立待月)
 十八夜(居待月)
 十九夜(寝待月)
 二十夜(更待月—ふけまちづき)

と続きます。最後は寝て待つ程おそい時間に現れる月です。

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