シェイクスピアの『十二夜』と音楽から1

イギリスのルネッサンス音楽では、ウイリアム・バード、トマス・モーリ、ジョン・ダウランドなどマドリカル・リュート歌曲、リュートバージナル(器楽作品)の作曲家たちが活躍しました。

シェイクスピアの作品「十二夜」は、シナリオの中に音楽の曲名や歌詞の一部などもとりいれられ、音楽に満ちた作品です。当時の音楽がどんなものであったのかを様子をうかがうことができます。



シェイクスピアの『十二夜』と音楽との関係についてお話します。
十二夜とは、クリスマスから数えて12番目の夜、1月6日に東方の博士がベツレヘムたずねる故事にちなんでおり、祝祭性にみちたストーリーです。
英国王室も愛好家が多かったので台本に音楽的要素を入れたことは十分ありえますね。


カラヴァッジォ作 「リュート奏者」 ("Der Lautenspieler" - The Hermitage, St. Petersburg

 アクト1 オーシーノの館では、当時の一流の作曲家の器楽曲やポリフォニー音楽が、ソロやコンソートミュージックとして演奏される。その一方、当時の流行歌、キャッチやバラードなどが、道化やトビーたちのどんちゃん騒ぎの場面でこれらの歌が演奏される。歌の詩は原曲のままあるいはシェイクスピアの台詞での替え歌で奏されます。

『十二夜』冒頭 有名なオーシーノの台詞

If music be the food of love, play on;
Give me excess of it, that, surfeiting,
The appetite may sicken, and so die.
That strain again! it had a dying fall:
O, it came o'er my ear like the sweet sound,
That breathes upon a bank of violets,
Stealing and giving odour! Enough; no more:
'Tis not so sweet now as it was before.

訳)音楽が恋の滋養になるのなら、演奏しつづけてくれ、聴き飽きるまで。
 やがてこの恋が食傷し、恋の欲望が病み衰え、死んでしまう程に。
 今の調べをもう一度。消え入るような調べ。
 ああ、まるで、スミレ咲く堤の上を、吹き通ってくる甘いそよ風のように。
 花の香りを奪ったり、与えたりする。そのように私の耳には聴こえた。
(再び音楽)もうたくさんだ。よしてくれ。さっきほど心地よくは響かないのだ。
(音楽やむ) 

ここはコンソートミュージックが演奏される場面です。シェイクスピアはリコーダーやヴァイオルなど異なった楽器のアンサンブルをブロークン・コンソートと呼んでいます。





アクト2 O mistress mine  おお私のねえさん
トービ卿たちが道化が歌を所望され歌ううた 
テーマ双子のセバスチャンとヴァイオラは、難破し船で別れ別れに。ヴァイオラは男装して、オーシーノー公爵の使者として、恋人オリビアのところへゆく。オリビアは、ヴァイオラに似たセバスチャンに間違って求婚して。

O mistress mine, where are you roaming?
O, stay and hear; your true love's coming,
That can sing both high and low:
Trip no further, pretty sweeting;
Journeys end in lovers meeting,
Every wise man's son doth know.- 
       私の恋人よ、どこをさまようのか
          おお ちょっと待ってきいておくれ
   ここにいるのがあなたの恋人
   歌うは甘く切ない恋の歌
   もうどこにも行かないで、かわいい人
   旅の終わりは恋人たちの出会いだと
   利口な者はみんな知っているよ

Carpe Diem「きょうをとらえよ」の思想をあらわしたています。







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