万葉カップル恋のいろいろ①

万葉カップルの恋のやりとりは、
情熱的で、ウイットに富んで
ユーモアにあふれ、
時にはドスがきいて…

まずは、若き日の大伴家持と紀女郎(きのいらつめ)の
恋の駆け引きをご紹介しましょう。
紀女郎は、たわむれに家持を「しもべ」という
意味の「戯奴(わけ)」と呼んでいます。
家持もその芝居に楽しくのっかっています。

戯奴(わけ)がため 我が手も須磨に 春の野に 抜ける茅花を をして肥えませ
1460「家持君のために 一生懸命引き抜いて来た茅花よ。
どうぞ召し上がって 太って(もっと健康になって)くださいな。」(紀女郎)

我が君に 戯奴は肥ふらし 賜り(たばり)足る 茅花を食めど 
いら痩せに痩す


1461「我がご主人に 私めが恋焦がれているからでしょうか。
いただいた茅花を食べましたが太るどころかやせる一方です。」(大伴家持)

太る痩せるは現代のように古代も人々の関心のある話題のようですが、
当時は痩せている方が問題だったようです。

三十代の紀女郎と二十代の若き大伴家持、
かなり年の差のあるカップルでした。しかも
女性の方が十歳も年上ということを気にしていたようでもあります。

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