和歌に見る恋のジンクス③

和歌に見る恋のジンクスさらに続きます。

赤い糸ならぬ、赤い紐で結ばれた二人

「赤い糸で結ばれた二人」とは、
今もわたしたちがごく普通に使う表現ですが、
古代の男女の間では、赤い紐に魂を結ぶ
という風習がありました。

 別れに際し、赤い紐を互いに固く結び、
再会までは解かないという、美しい約束でした。

でも、風呂というか水浴びするときなども、
そのまま入ったのかどうか、定かではないのですが。

旅の夜の 久しくなれば さ丹つらふ 紐解き放けず 恋ふるこのころ 

旅に出て、一人の夜を重ねることも長くなった。
赤い紐を解くこともない、君が恋しいなあ。

超訳ですが、こんな感じです。

吾妹子し 吾を偲ふらし 草枕 旅のまろ寝に 下紐解けぬ 

いとしいあの子が僕のことをを思っているらしい。 
草を枕に着衣の紐も解かず寝たはずなのに、
紐が自然にほどけたよ。

恋人や離れた妻が強く思っていると、自然に紐が解けると
考えられていました。下紐が解けるのは、恋人が来訪する予兆とも
考えられました。なんかアヤシイですね。
いやいや、衣服の紐が自然にほどけるのも、
また相手が自分を思ってくれている印という考えは、
唐の伝奇小説『遊仙窟』に由来するものでした。
こんなジンクスも恋の問答に使われているのですね。

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