子ども大学かわごえの授業で、池上彰先生『やさしい経済学』
子ども大学かわごえの4月19日(土)の授業
池上彰先生『やさしい経済学』でした。その内容は
次のようなものでした。子どもにわかりますく経済学とは
どんなものか説明しています。
お金の歴史について、貝のつく文字は、貝がお金がわりの
交換の手段だった名残りといえます。サラリーマン (salt塩のこと)
はヨーロッパで塩が交換の手段だった名残り。その後も希少価値
の高いもの、金や銀などが交換手段(お金)としてつかわれます。
しかし、金を持ち歩くのは重いし、危険なので、お金持ちにあづけ
変わりに証書(紙幣)を発行することになりました。それが銀行の
はじまりです。
ひとつの国で複数の銀行が紙幣を発行しているところもあります。
そうなるとお金とは信用の問題です。アフリカのジンバブエドル
のように、物価上昇が激しく、市場から物がなくなる国もあります。
また、カンボジアの前政権のようにお金を廃止してしまう国もあり
ました。この場合、結果としては上手くいきませんでした。
経済という言葉は、中国のことわざを使用した日本語の翻訳で
「経世済民」という世の中を上手く動かして人々を救うことから来て
います。もうひとつ、「理財」という言葉もありました。
経済学ですることはお金持ちをつくることではありません。資源の
最適配分をすることです。その意味では、失業とは、人間という資源
が上手く配分されていないことにもなります。需要と供給は、自由な
マーケットをつくりだします。
それと逆に、ソ連など、計画経済(机上での計画に従って生産)を
行なっていた時代がありましたが、計画に沿ってつくるだけでは大量
にものが売れ残ってしまい、結果として上手くゆきませんでした。
ただ、自由なマーケットが問題のある場合もあります。航空会社の
自由競争で、 値段が下がるのは、たくさんの便が飛んでいるところ
で、一社独占のところでは、値段が上がるという米国のケースもあり、
このようなみんなにまかせておくと上手くいかない場合、政治家の出
番となります。
また最近、人間は合理的にいつも考えるというスタンスから、心理
が経済に影響しているという学説に光があたっています。たとえば、
1000円と2000円のうな重を比べると2000円は高いと思い
ますが、1000円、2000円、3000円と3つの選択肢すれば、
2000円のうな重を買う人が増えるという実験結果があります。
また70000円の腕時計と言われたら、高いと思いますが、ショ
ウウィンドウに150万円の腕時計があったら、店内にある70000円
の腕時計は安いということになります。このように最先端の経済学の
行動経済学では、さまざまな実験をします。
もうひとつ機会費用について勉強しましょう。機会費用とは、何かを
選んだことによって払っている費用です。今これを選んだことによって、
他の事ができなかった費用を払っているという考え方です。
たとえば、大學に入ることは、大學にかかる費用の他に、大學に行かず
に4年間働いた場合に入る給料などのマイナスも費用にいえるわけです。
(ただし、大學を卒号すると、高卒とでは生涯にもらえる給料が違うので
その辺の計算も必要になります)。
では、税金を使って小、中学校は無料で学べるようにしているのはなぜ
でしょう。これからの日本を担う人をきちんと育てるためですね。フィリ
ピンなどでは、学校は無料ですが、ゴミを集めるとお金がもらえるので、
貧しい人は学校にいかずにゴミ集めにいってしまいます、そうすると、読
み書きができずに大人になってしまい、仕事がない、という貧困の循環が
できてしまいます。
ですから、国として子どもに投資し、税金を納められる国民をつくるこ
と、会社で働き、サービスを買ってくれる人がいるような、役にたつ人に
なること、その他にも世の中のためになるには、いろいろな方法があります。
という、子どもだけではなく、大人にもわかりやすく充実した内容でした。
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